とりあえず、ここから

気がついたらオーストラリアで働いていました。人生何が起こるか本当に分かりません。

I don't knowから見る英語圏の方の物事に対する考え方

I don't know 

この国で働き始めたとき、仕事上で周りのスタッフがI don't knowというフレーズを頻繁に言うのを見て、変な違和感を感じた事があります。「そんな無責任に知らないと答えて良いの?」とさえ思った事もあります。

僕の中でI don't knowは日本語で表現する「知らない」という意味であり、どうしてもマイナスのイメージしか有りませんでした。

ただ、この言葉の持つ本来の意味合いが少しずつニュアンスで分かるようになり、彼らの合理性と責任に関する考え方を肌で感じる事が出きた時、僕の中でこの言葉はお気に入りの一つになったのです。

I don't know とは、質問が回答者の専門外であるという事に対する回答の一番率直な表現方法であるようです。彼らはこの言葉を使う事で、「質問者が専門外である自分に無駄な時間を費やすことが無いように、」という配慮をしている、という好意的な部分さえ含んでいます。

以前、日本人の善意を揶揄する記事を雑誌で読んだことがあります。それは日本を訪れた外国人が道に迷った時、大多数の日本人が親切に助けたにも関わらず、残念ながら、その殆どが間違っていた為、結果的にもの凄く目的地に着くまで時間が掛かってしまったという物でした。これは、「もし 一言I don't knowと言ってくれたら、お互いに無駄な時間を費やす事無く、自分は知っている人間を直ぐ探す事が出来たのに・・」、という教訓を含んでいるようです。

そのため、I don't knowという表現はニュートラルであり、その言葉だけでは良くも悪くも取られる事は基本的にありません。

ただ、残念ながら、それを逆手に I don't know を自分の権利の様に連呼している方が居るのも事実。

結果的に相手の為になる I don't knowを言いたいものです。